非ラジアル型カーカス構造体を有する軽量タイヤ
专利摘要:
本発明は、少なくともタイヤの最大軸方向幅の領域において厳密に言えば円周方向と75°未満であり且つタイヤの各側でビードに繋留されていて少なくとも赤道面内において厳密に言えば円周方向と65°未満の角度をなす相互に平行な補強要素の少なくとも1つの層で作られた少なくとも1つのカーカス型補強構造体(6,7)を有するタイヤであって、各ビードの半径方向外方の延長部としてフランジが設けられ、フランジが半径方向外側寄りでトレッドに合体し、タイヤがカーカス型補強構造体の半径方向外側に位置していて、実働層と呼ばれている円周方向と10°〜60°の角度をなす補強要素の少なくとも1つの層から成るクラウン補強構造体をトレッドの下に有するタイヤに関する。本発明によれば、タイヤは、そのフランジ内に、少なくとも2つの軸方向に隣接したカーカス補強層部分を有し、カーカス補強層部分の補強要素は、子午面平面の各側で方向づけられ、少なくとも1つの実働層の補強要素は、少なくとも赤道平面の高さ位置において、カーカス型補強構造体の補強要素と40°より大きい角度をなして交差している。 公开号:JP2011506196A 申请号:JP2010538617 申请日:2008-12-15 公开日:2011-03-03 发明作者:アラン ヴァレ;リュック ヴェストゲン 申请人:ソシエテ ド テクノロジー ミシュラン;ミシュラン ルシェルシュ エ テクニーク ソシエテ アノニム; IPC主号:B60C15-00
专利说明:
[0001] 本発明は、車両、特に二輪車、例えばモーターサイクルに取り付けられるようになった軽量タイヤに関する。] [0002] 本発明は、このような用途には限定されないが、本発明を特にこのようなモーターサイクル又はモーターサイクルバイク(オートバイ)用タイヤに関して説明する。] 背景技術 [0003] タイヤ、特にモーターサイクル用のタイヤの補強材又は補強アーマチュアは、現時点では、そして大抵の場合、従来「カーカスプライ」、「クラウンプライ」等と呼ばれていた1枚又は2枚以上のプライのスタックから成る。補強材をこのように説明する仕方は、細線状補強材を備えた、多くの場合、長手方向のプライの形態をした一連の半完成状態の製品を作り、次に、これらを組み立て又は積み重ねてグリーン(生)タイヤを作るという製造方法に由来している。プライを大きな寸法に合わせて扁平に作り、次に、所与の製品の寸法に合うよう裁断する。まず最初に半完成品のうちの少なくとも何割かを実質的に扁平に互いに組み立てる。次に、このようにして作られたグリーンタイヤをシェーピングして(膨らませて)タイヤについて典型的なドーナツ形状をタイヤに与える。次に、「完成途上」の半完成品をグリーンタイヤに張り付けていつでも加硫させることができる製品を得る。] [0004] このような方法の「従来」形式では、特にグリーンタイヤを成型する段階の間、カーカス補強材をタイヤのビード領域内に繋留し又は保持するための繋留要素(一般にビードワイヤ)が用いられる。このような形式の方法では、カーカス補強材を構成するプライの全て(又はその何割かだけ)の一部をタイヤのビード内に納められたビードワイヤ周りに折り返す。すると、これにより、カーカス補強材がビード中に繋留される。] [0005] この従来型方法の業界全体にわたる普及の結果として、プライ及び組立体を形成する仕方に多くの別法が存在しているにもかかわらず、当業者は、この方法で定められている語彙を用いており、それ故、一般に受け入れられている用語として、特に「プライ」、「カーカス」、「ビードワイヤ」、平らなプロフィールからドーナツ形プロフィールへの進展を意味する「シェーピング」という用語等が挙げられる。] [0006] 今日、厳密に言えば、上述の定義に一致する「プライ」又は「ビードワイヤ」を備えているとはいえないタイヤが存在する。例えば、欧州特許第0582196号明細書は、プライの形態の半完成状態の製品を用いないで製造されたタイヤを記載している。例えば、種々の補強構造体の補強要素を隣接のゴムコンパウンド層に直接張り付け、次に、これら全てを連続した層の状態でドーナツ形コアに張り付け、このドーナツ形コアの形状が、製造中のタイヤの最終プロフィールとほぼ同じプロフィールを直接生じさせる。この場合、「半完成状態」の製品又は「プライ」若しくは「ビードワイヤ」は全く存在しない。基本的製品、例えばゴムコンパウンド及び線材又はフィラメントの形態をした補強要素は、コアに直接張り付けられる。このコアの形状は、ドーナツ形のものなので、平らなプロフィールからトーラス形状のプロフィールにするためにグリーンタイヤを作ることは最早不要である。] [0007] さらに、この特許文献に記載されたタイヤは、ビードワイヤ周りのカーカスプライの「伝統的な」折り返しを用いていない。この種の繋留に代えて、円周方向細線がサイドウォール補強構造体に隣接して位置決めされる構造が用いられ、全てのものは、繋留又は結合ゴムコンパウンド中に埋め込まれる。] [0008] また、中央コア上への迅速且つ効率的で、しかも簡単な布設又は積層向けに特に設計された半完成状態の製品を採用するドーナツ形コアへの組み付け方法が存在する。最後に、或る特定のアーキテクチャ上の観点を生じさせる幾つかの完成状態の製品(例えばプライ、ビードワイヤ等)とコンパウンド及び/又は補強要素を直接張り付けることによって作られた半完成品の両方を有するハイブリッドを用いることも又、可能である。] [0009] 上記特許文献では、製品製造分野と製品設計分野の両方における最近の技術進歩を考慮に入れるためには、従来の用語、例えば「プライ」、「ビードワイヤ」等に代えて、中立的な用語又は用いられる方法の形式とは無関係の用語を用いると好都合である。「カーカス型補強材」又は「サイドウォール補強材」という用語は、従来方法におけるカーカスプライの補強要素及び半完成状態の製品を用いない方法に従って製作されたタイヤの対応の補強要素(これら補強要素は、一般的にサイドウォールに張り付けられる)を表すのに有効に用いられる。「繋留ゾーン」という用語は、その一部について、従来方法におけるビードワイヤ周りへのカーカスプライの「伝統的」折り返し部をまさしく容易に表すことができる。というのは、これは、円周方向補強要素、ゴムコンパウンド及びドーナツ形コアへの張り付けを含む方法を用いて形成された底部ゾーンの隣接のサイドウォール補強部分により形成された組立体だからである。] [0010] 他の全てのタイヤの場合と同様、モーターサイクル用タイヤは、ラジアル設計に切り替わりつつあり、このようなタイヤは、円周方向と65°〜90°の場合のある角度をなす補強要素の1枚又は2枚のプライで形成されたカーカス補強材を含み、このようなカーカス補強材には、少なくとも一般に織物(又はファブリック若しくは布地)補強要素で形成されているクラウン補強材が半径方向に載っている。しかしながら、非ラジアルタイヤが依然として存在しており、本発明は、これらにも同じように当てはまる。本発明は又、部分的にラジアルのタイヤ、即ち、カーカス補強材の補強要素がカーカス補強材の少なくとも一部にわたり、例えばタイヤのサイドウォールに相当する部分についてラジアル(半径方向)であるタイヤに関する。] [0011] タイヤがモーターバイクのフロントに取り付けられるようになるかリヤに取り付けられるようになるかに応じて、多くのクラウン補強材設計例が提案された。第1の構造体は、クラウン補強材の場合、円周方向コードだけを用いるものであり、この構造体は、特にリヤタイヤに用いられる。第2の構造体は、自家用車用タイヤに通常用いられている構造体から直接インスピレーションを得たものであり、この第2の構造体は、耐摩耗性を向上させるよう用いられ、このような構造体は、補強要素の少なくとも2つのクラウン層を用いるものであり、このような補強要素は、各層内において相互に平行であるが、円周方向と鋭角をなした状態で1つの層から次の層にクロス掛けされており、このようなタイヤは、モーターバイクのフロントに最適である。上述の2つのクラウン層の半径方向頂部には、一般に少なくとも1つのゴム被覆補強要素のストリップを螺旋に巻くことによって得られた円周方向要素の少なくとも1つの層が被着されている場合がある。仏国特許第2561588号明細書は、少なくとも1枚の層を備えたこのようなクラウン補強材を記載しており、このプライの補強要素は、円周方向に対して0°〜8°のばらつきがある角度をなし、このような要素の弾性率は、少なくとも6000N/mm2という高いものであり、カーカス補強材と円周方向要素のプライとの間には、主として、1つの層から次の層にクロス掛けされていて、互いに対して60°〜90°の角度をなす要素の2枚のプライで形成された緩衝又はクッション層が位置決めされ、これらクロス掛け層は、弾性率が少なくとも6000N/mm2の織物補強要素で形成されている。] [0012] 米国特許第5,301,730号明細書は、モーターバイクのリヤタイヤ用のタイヤ駆動性を高めることを目的として、半径方向カーカス補強材からトレッドまで、実質的に円周方向要素の少なくとも1枚のプライ及び1つのプライから次のプライにクロス掛けされていて、円周方向に対して35°〜55°の場合がある角度をなした要素の2枚のプライで構成されたクラウン補強材を提案しており、円周方向に平行な要素のプライは、芳香族ポリアミドで作られ、クロス掛け要素のプライは、脂肪族ポリアミドで形成されている。] 先行技術 [0013] 欧州特許第0582196号明細書 仏国特許第2561588号明細書 米国特許第5,301,730号明細書] 発明が解決しようとする課題 [0014] 本発明の目的は、モーターサイクル用の軽量化されたタイヤを作ることができ、それにより、ユーザを満足させるのに必要な他の特性を損なうことなく、特に、満足の行く耐久性を保持し、十分に高い最大タイヤ速度で十分に高いタイヤのコーナリング剛性の実現を可能にすることにある。] 課題を解決するための手段 [0015] この目的は、本発明によれば、少なくともタイヤの最大軸方向幅の領域において厳密に言えば円周方向と75°未満であり且つ少なくとも赤道面内において厳密に言えば円周方向と65°未満の角度をなす相互に平行な補強要素の少なくとも1つの層で作られていて、タイヤの各側でビードに繋留された少なくとも1つのカーカス型補強構造体を有するタイヤであって、各ビードの半径方向外方の延長部としてサイドウォールが設けられ、サイドウォールが半径方向外側寄りでトレッドに合体し、タイヤがカーカス型補強構造体の半径方向外側に位置していて、実働層と呼ばれている円周方向と10°〜60°の角度をなす補強要素の少なくとも1つの層から成るクラウン補強構造体をトレッドの下に有する、タイヤにおいて、タイヤは、サイドウォール内に、少なくとも2つの軸方向に隣接したカーカス補強層部分を有し、カーカス補強層部分の補強要素は、子午面平面の各側で方向づけられ、少なくとも1つの実働層の補強要素は、少なくとも赤道平面内において、カーカス型補強構造体の補強要素と40°より大きい角度をなして交差していることを特徴とするタイヤを用いて達成された。] [0016] タイヤの円周方向又は長手方向は、タイヤの周囲に対応した方向であり、タイヤの転動方向によって定められる。] [0017] 円周方向平面又は円周方向断面は、タイヤの回転軸線に垂直な平面である。赤道面は、タイヤトレッドの中心又はクラウンを通る円周方向平面である。] [0018] 半径方向平面又は子午面平面は、タイヤの回転軸線を含む平面である。] [0019] タイヤの回転軸線は、通常の使用時におけるタイヤの回転の中心である。] [0020] タイヤの横断方向、子午面方向又は軸方向は、タイヤの回転軸線に平行である。] [0021] 本発明によれば、タイヤは、少なくともサイドウォールの一部にわたり、2つの軸方向に隣接したカーカス補強層部分を有し、これらカーカス補強層部分の補強要素は、子午面平面の各側で方向づけられている。また、本発明によれば、有利には、カーカス補強層部分の補強要素は、次の層の補強要素と少なくとも6°、好ましくは少なくとも10°の角度をなして交差している。ビードワイヤ周りに折り返されたカーカス層を有するタイヤの場合、本発明の2つの軸方向に隣接したカーカス補強層部分は、カーカス層と、その折り返し部分とから成るのが良い。] [0022] 本発明の好ましい実施形態によれば、カーカス補強層の補強要素は、少なくともサイドウォールの一部にわたり、円周方向と65°より大きい角度をなす。] [0023] 上述の本発明により、例えば、単一のカーカス層及び単一の実働クラウン層を有するタイヤを製造することができ、したがって、補強要素の層が非常に少ないので軽量化されたタイヤを製造することが可能である。例えばこのようなタイヤは又、第1に材料の量が少ないという理由、第2に製造時間が理論的に短いという理由で製造するのが一層経済的であり、定位置に配置しなければならない材料の量は、通常のタイヤと比較して減少する。] [0024] 本発明のタイヤを履いたモーターサイクルに対して行った試験結果の実証するところによれば、このようなタイヤは、特に実働層の補強要素がカーカス型補強構造体の補強要素と40°より大きい角度をなして交差しているので、満足の行くコーナリング剛性を提供することができた。] [0025] 本発明の好ましい一実施形態によれば、少なくとも赤道面内において、少なくとも1つの実働層の補強要素とカーカス型補強構造体の補強要素は、赤道面に関し互いに逆方向に差し向けられている。] [0026] さらに、このようなタイヤを用いて得られる最大許容速度は、路上走行モーターサイクル型のモーターサイクルへの利用にとって満足の行くものであり、本発明のタイヤは、補強要素が或る1枚のプライから次のプライにクロス掛け状態になっている特に数枚の実働プライを有する従来設計の或る特定のタイヤで得られる速度を超える速度の実現を可能にする。] [0027] さらに、シェーピングステップを含む「伝統的」製造の場合、本発明により、上述の実働クラウン層をこのシェーピングステップの実施前に取り付けることができる。] [0028] 特に、本発明者は、いわゆる「伝統的」製造方法におけるシェーピングステップの実施前に実働層を取り付けることにより、本発明のタイヤの製造が単純化され、したがって、その製造費が一段と減少し、具体的に説明すると、シェーピングステップの実施に先立って実働層が存在することにより、特に、カーカス補強材の取り付けが可能になり、このカーカス補強材の補強要素が円周方向とその軸方向幅全体にわたって一定である角度をなし、その結果、シェーピング後、本発明のタイヤの特徴を発揮させるために、カーカス補強材がサイドウォール内での角度と比較して、特にトレッドの下で実働層内において異なる角度をなすようになるということを立証することができた。] [0029] 好ましくは、少なくとも1つの実働層の補強要素は、少なくとも赤道面内において、円周方向と45°未満の角度をなす。本発明のこのような実施形態により、特に、タイヤのコーナリング剛性を一段と高めることができる。] [0030] また、好ましくは、少なくとも2枚の実働層を有するタイヤの場合、本発明により、2枚の互いに重ね合わされた実働層の補強要素の全てを子午面方向に対して同一の方向に差し向けることができ、好ましくは、補強要素を或る1つの層から次の層に最大で5°の角度をなしてクロス掛けすることができる。本発明のこのような実施形態によれば、上述したように、シェーピングステップの実施前に2枚の実働層が存在することにより、補強要素が円周方向とその軸方向幅全体にわたって一定である角度をなしたカーカス補強材の取り付けが可能になり、その目的は、シェーピング後において、本発明のタイヤの特徴を発揮させるためにサイドウォール内における角度と比較して、トレッドの下でカーカス補強材の異なる角度を得ることにある。] [0031] 本発明の他の実施形態によれば、タイヤは、数枚の実働層を有するのが良く、これらのうちの1枚の実働層だけがタイヤの製造中、シェーピングステップ前に被着される。] [0032] 本発明の有利な変形例により、実働層の補強要素とカーカス型補強構造体の補強要素のなす角度は、70°より大きい。本発明のこのような変形実施形態により、タイヤのコーナリング剛性を一段と向上させることができる。] [0033] 本発明の好ましい実施形態によれば、ビード内のビードワイヤ周りに折り返された部分を含む少なくとも1つのカーカス層を有し、カーカス層の少なくとも1つの折り返し部分の端部は、少なくとも1つの実働層の端部上に好ましくは少なくとも3mmの長さにわたって重ね合わされている。カーカス層の折り返し部分を本発明において提案される実働層の一端部と重ね合わせることにより、特に、高速直線健全性を向上させることができる。] [0034] また、有利には、本発明の第1の変形実施形態によれば、ビード内のビードワイヤ周りに折り返された部分を含む少なくとも1つのカーカス層を有し、カーカス層の少なくとも1つの折り返し部分の端部とビードワイヤの半径方向内側端部との間の半径方向距離は、ショルダ端部とビードワイヤの半径方向内側端部との間の半径方向距離の50%〜75%である。本発明のこの第1の変形実施形態によれば、このようなタイヤを履いたモーターバイクの安定性及び/又は取り扱い性を向上させることができる。] [0035] タイヤをその常用リムに取り付けてインフレートさせた場合、一方においてトレッドの軸方向外側端部及び他方においてサイドウォールの半径方向外側端部の表面の接線の交点のタイヤの外面上への正投影によりショルダ端部がタイヤのショルダゾーン内に構成される。] [0036] 本発明の第2の変形実施形態によれば、少なくとも1つのカーカス層がビード内のビードワイヤ周りに折り返された部分を含み、カーカス層の少なくとも1つの折り返し部分の端部は、トレッドの下に延びている。本発明のこの第2の変形例としてのタイヤを製造することは、取り扱い性及び安定性の観点における向上をもたらすこととは別に、タイヤのコーナリング剛性の向上に一段と寄与する。] [0037] 本発明のこれら変形実施形態のうちのどれか1つによれば、上述したように、カーカス層の折り返し部分を少なくとも1つの実働層の端部と重ね合わせることができ、この場合、この実働層は、第1の変形実施形態の場合、少なくともサイドウォールの一部分中に延びる。] [0038] また、本発明の一実施形態によれば、本発明により、有利には、カーカス層の折り返し部分を少なくとも1つの実働層の端部と重ね合わせると、カーカス層の少なくとも1つの折り返し部分の端部を少なくとも1つのカーカス層と実働層との間に位置決めすることができる。] [0039] 本発明の別の実施形態によれば、カーカス層の少なくとも1つの折り返し部分の端部は、実働層の外部上に軸方向に且つ/或いは半径方向に位置決めされる。] [0040] 本発明の好ましい実施形態では、タイヤは、特に、円周方向補強要素の少なくとも1つの層を更に有するクラウン補強構造体から成るのが良く、本発明によれば、円周方向補強要素は、長手方向と5°未満の角度に差し向けられた少なくとも1つの補強要素から成る。] [0041] 本発明の有利な実施形態では、円周方向補強要素の層は、実働層の少なくとも一部の外部上に半径方向に位置決めされる。] [0042] 円周方向補強要素の層をトレッドの真下に作ることができ、その目的は、カーカス層及びクラウン補強構造体の他の層を何らかの機械的攻撃から保護する保護層を形成することにある。] [0043] また、円周方向補強要素の層を特に経済的な理由で2つの実働層相互間に作ることができ、材料の量及び布設時間が減少する。本発明のこのような実施形態によれば、特に、シェーピングステップを含む製造技術の場合、円周方向補強要素の層と半径方向最も外側の実働層は、シェーピングステップ後に布設される。] [0044] 本発明の別の有利な実施形態では、円周方向補強要素の層は、半径方向に内部の実働層の半径方向内側に少なくとも部分的に位置決めされる。この実施形態によれば、円周方向補強要素の層は、実働層の内側に半径方向に作られ、これにより、特に、タイヤのグリップ及び駆動を向上させることができる。この場合、本発明のこのような実施形態は、ハードコアタイヤ技術を用いた製造を必然的に伴う。] [0045] 本発明の別の変形例では、円周方向補強要素の少なくとも1つの層は、カーカス型補強構造体の半径方向内側に少なくとも部分的に位置決めされる。この場合、本発明のこの変形例によれば、タイヤは、好ましくは、ハードコア又は剛性型を含むタイヤの製造技術を用いて作られる。] [0046] 本発明の好ましい実施形態によれば、実働層の補強要素は、織物で作られる。] [0047] また、好ましくは、円周方向補強要素の層を構成する補強要素は、金属及び/又は織物及び/又はガラスで作られる。特に、本発明により、円周方向補強要素の同一の層内に互いに異なる種類の補強要素を使用することができる。] [0048] また、好ましくは、円周方向補強要素の層を構成する補強要素は、6000N/mm2を超える弾性率を有する。] [0049] 本発明の他の細部及び有利な特徴は、図1〜図3を参照して本発明の幾つかの例示の実施形態の説明を読むと以下において明らかになろう。] 図1 図2 図3 図面の簡単な説明 [0050] 本発明の第1の実施形態としてのタイヤの子午面略図である。 本発明の第2の実施形態としてのタイヤの子午面略図である。 本発明の第3の実施形態としてのタイヤの子午面略図である。] 実施例 [0051] 図の理解を単純化するために図1〜図3は縮尺通りには示されていない。これらの図は、タイヤの図の半分しか示しておらず、タイヤの他方の半分は、タイヤの円周方向子午面平面又は赤道面を表すXX′軸線に関して対称に連続している。] 図1 図2 図3 [0052] 図1は、サイズ120/70ZR17(58W)のモーターサイクル用タイヤ1を示している。このタイヤ1は、サイドウォール3によりビード4に連結されたトレッド2を有する。ビードは、ビードワイヤ5を有し、折り返し部分7を形成する単一層6から成るカーカス補強材がこのビードワイヤの周りに繋留されている。層6は、サイドウォール内において円周方向と実質的に75°に等しい角度をなすレーヨン型の織物補強要素から成る。カーカス補強材の折り返し部分7内の補強要素のなす角度は、円周方向に対して実質的に−75°である。] 図1 [0053] トレッド2の下には、赤道面内において円周方向と−38°の角度をなすレーヨン型の織物補強要素の層8から成るクラウン補強材がカーカス補強材の上に半径方向に載っている。] [0054] トレッドの下で、より具体的に言えば、層8の半径方向外側に層6の補強要素が円周方向となす角度は、赤道面内において55°に等しい。タイヤの最大軸方向幅の領域において層6の補強要素と円周方向とのなす角度は、65°に等しい。] [0055] 層6の補強要素と円周方向とのなす角度と層8の補強要素と円周方向のなす角度の差は、93°に等しく、従って赤道面のところでは及び層8の幅全体にわたって40°より大きい。] [0056] 例えばこのようなタイヤ1は、有利には、シェーピングステップを含む製造方法に従って製造される。円周方向と75°の角度をなす補強要素から成るカーカス補強層6を被着する。次に、−47°に等しい角度をなす補強要素から成る層8をカーカス補強層2の外部上に半径方向に布設する。シェーピングステップ中、層6の補強要素と円周方向とのなす角度及びその折り返し部分7の補強要素と円周方向とのなす角度をサイドウォール内に保持し、これに対し、トレッドの下における層6の補強要素と円周方向とのなす角度をタイヤのクラウン内において、即ち、赤道面のところで55°の値となるよう加減する。層8の補強要素と円周方向とのなす角度をシェーピング後加減し、タイヤのクラウン内において、即ち、赤道面内において−47°から−38°に変える。シェーピング後に観察される角度の変化は、層8の端部のところではそれほど顕著ではない。] [0057] 円周方向補強要素9の層をシェーピングステップ後に被着させる。] [0058] このような円周方向補強要素の層は、有利には、円周方向と実質的に0°に等しい角度をなすよう巻かれた単一の細線から成る。円周方向補強要素の層も又、数本の裸の細線又はストリップの形態の細線をゴム中に埋め込む際にこのような細線を同時に巻回することにより達成できる。] [0059] 図2は、補強要素28の層がサイドウォール23の上方部分中に延びていることを除き図1のタイヤとほぼ同じタイヤ21を示している。この図2では、この層28の端部は、この場合、カーカス補強層26とその折り返し部分27の端部との間に軸方向に介在して設けられる。折り返し部分27の端部と補強要素28の層との間のオーバーラップは、約8mmの長さlにわたって延びる。このオーバーラップ領域は、このオーバーラップ領域において層26の補強要素及びその折り返し部分27の角度に僅かな改変をもたらす。観察される角度の改変は、層28の中央部分で観察される場合のある改変よりも小さい。というのは、層28の補強要素の端部が存在しているので補強要素相互間の結合が非常に弱いからである。] 図1 図2 [0060] このようにして製造されたタイヤの示すところによれば、層28がカーカス補強材27の折り返し部分とオーバーラップするこのような場合においては、子午面平面の各側におけるカーカス補強層26の補強要素及びその折り返し部分27の補強要素の向きは、維持される。] [0061] 図2のタイヤ21は、層28の半径方向外側に位置するアラミドで作られた円周方向補強要素の層29を更に有している。] 図2 [0062] 図3は、カーカス補強層36の折り返し部分37がトレッド32の一部の下に延びていることを除き図1のタイヤとほぼ同じタイヤ31を示している。したがって、この図3では、層38の端部は、カーカス補強層36と折り返し部分37の端部との間に軸方向に介在して設けられている。折り返し部分37の端部と補強要素38の層のオーバーラップは、約6mmの長さl′にわたって延びている。図2の場合と同様、このオーバーラップ領域は、このオーバーラップ領域において層36の補強要素及びその折り返し部分37の角度に僅かな改変をもたらす。観察される角度の改変は、層38の中央部分で観察される場合のある改変よりも小さい。というのは、層38の補強要素の端部が存在しているので補強要素相互間の結合が非常に弱いからである。] 図1 図2 図3 [0063] 図2に示されているタイヤの場合と同様、このようにして製造されたタイヤの示すところによれば、層38がカーカス補強材37の折り返し部分とオーバーラップするこのような場合においては、子午面平面の各側におけるカーカス補強層36の補強要素及びその折り返し部分37の補強要素の向きは、維持される。] 図2 [0064] 図3のタイヤ31も又、層38の半径方向外側に位置するアラミドで作られた円周方向補強要素の層39を更に有している。] 図3 [0065] 本発明は、図示の例に限定されるものと解されるべきではなく、当然のことながら、他の変形実施形態に及ぶ。本発明は、特にカーカス補強材の折り返し部分とクラウン補強材を構成する補強要素の層とのオーバーラップを有するタイヤの場合、クラウン補強層の端部が2つのカーカス補強部分相互間に挿入され又は一カーカス部分の端部、例えば、折り返し部分の端部がカーカス補強層とクラウン補強層の端部との間に挿入される形態に及ぶ。] [0066] 本発明は実際には、上述したように数個のカーカス補強層及び/又は数個の実働層を有する場合のあるタイヤに及ぶ。] [0067] 本発明は又、ハードコア型の方法を用いて製造されるタイヤを提供することを目的としており、このようなタイヤは、上述したように、最も厳密な意味においてビードワイヤを備えないということが可能である。] [0068] 本発明のタイヤは、他形式の補強要素、例えば、円周方向に差し向けられ、少なくとも一部が国際公開第02/09956号パンフレットに記載されているようにサイドウォール中に延びる補強要素を更に有することができる。] [0069] 試験及び測定が図3に示されているタイヤについて実施された。] 図3 [0070] 同一サイズ及びこの形式のサイズについて従来設計の3つの型式のタイヤを用いて基準試験を並行して実施した。] [0071] タイヤを3.5MT17リムに取り付け、2.5バールの同一の圧力までインフレートさせ、これに115kgの荷重を加えた。] [0072] 第1の基準タイヤ(基準1)は、1つの層から次の層にたすき掛けされ、円周方向に対して75°の角度をなすレーヨン製の補強要素で構成された2つのカーカス補強層から成り、この上に半径方向にアラミド製の円周方向補強要素の1つの層が設けられていた。] [0073] 第2の基準タイヤ(基準2)は、円周方向と90°の角度をなすレーヨン製の補強要素から成る2つのカーカス補強層と、円周方向に対して+25°及び−25°の角度をなすアラミド補強要素から成る2つの実働クラウン層とから成っていた。] [0074] 第3の基準タイヤ(基準3)は、1つの層から次の層にたすき掛けされ、円周方向に対して75°の角度をなすレーヨン製の補強要素から成る2つのカーカス補強層と、円周方向に対して+30°及び−30°の角度をなすレーヨン製の補強要素から成る2つの実働クラウン層を半径方向にいただいたアラミド製の円周方向補強要素の1つの層とから成っていた。] [0075] 試験では、一方において最大走行速度を測定し、他方において、転動機上でコーナリング剛性を測定した。] [0076] 得られた種々の結果は、3本の基準タイヤの性能のうちの最善のものを基準として設定された基準100に対する相対的データの形態で以下の表にまとめられている。] [0077] 〔表1〕 基準1 基準2 基準3 本発明(図2) 最大速度 100 80 90 100 コーナリング剛性80 100 100 100] 図2 [0078] この表に示されている値は、本発明のタイヤが全体的構造が軽量化された状態で、達成可能な最大速度とコーナリング剛性の両方において最善の性能を有し、又は少なくとも、補強要素の量及び重量の面において実質的に同一であるということを示している。] [0079] 具体的に説明すると、アーキテクチャが単純化された本発明のタイヤは、一方において用いられる材料が僅かであり、他方において、製造時間をそれに応じて減少させることができるので、当然のことながら重量が軽くしかも製造するのに費用がそれほど高くつかない。]
权利要求:
請求項1 少なくともタイヤの最大軸方向幅の領域において厳密に言えば円周方向と75°未満であり且つ少なくとも赤道面内において厳密に言えば円周方向と65°未満の角度をなす相互に平行な補強要素の少なくとも1つの層で作られていて、タイヤの各側でビードに繋留された少なくとも1つのカーカス型補強構造体を有するタイヤであって、各ビードの半径方向外方の延長部としてサイドウォールが設けられ、前記サイドウォールが半径方向外側寄りでトレッドに合体し、前記タイヤが前記カーカス型補強構造体の半径方向外側に位置していて、実働層と呼ばれている円周方向と10°〜60°の角度をなす補強要素の少なくとも1つの層から成るクラウン補強構造体を前記トレッドの下に有する、タイヤにおいて、前記タイヤは、前記サイドウォール内に、少なくとも2つの軸方向に隣接したカーカス補強層部分を有し、前記カーカス補強層部分の前記補強要素は、子午面平面の各側で方向づけられ、少なくとも1つの実働層の前記補強要素は、少なくとも赤道平面内において、前記カーカス型補強構造体の前記補強要素と40°より大きい角度をなして交差している、ことを特徴とするタイヤ。 請求項2 前記カーカス補強層の前記補強要素は、少なくとも前記サイドウォールの一部にわたり、円周方向と65°より大きい角度をなす、請求項1記載のタイヤ。 請求項3 前記カーカス補強層部分の前記補強要素は、次の層の補強要素と少なくとも6°、好ましくは少なくとも10°の角度をなして交差している、請求項1又は2記載のタイヤ。 請求項4 少なくとも1つの実働層の前記補強要素は、少なくとも赤道面内において、円周方向と45°よりも小さい角度をなす、請求項1ないし3のいずれか1項に記載のタイヤ。 請求項5 少なくとも2つの実働層を有するタイヤの場合、2つの重ね合わされた実働層の前記補強要素は、次の層の補強要素と最大で5°の角度をなして交差している、請求項1ないし4のいずれか1項に記載のタイヤ。 請求項6 前記ビード内のビードワイヤ周りに折り返された部分を含む少なくとも1つのカーカス層を有し、前記カーカス層の前記補強要素とその折り返し部分の前記補強要素は、子午面平面の各側で配向されている、請求項1ないし5のいずれか1項に記載のタイヤ。 請求項7 前記実働層の前記補強要素と前記カーカス型補強構造体の前記補強要素のなす角度は、70°より大きい、請求項1ないし6のいずれか1項に記載のタイヤ。 請求項8 前記ビード内のビードワイヤ周りに折り返された部分を含む少なくとも1つのカーカス層を有し、前記カーカス層の少なくとも1つの折り返し部分の端部は、少なくとも1つの実働層の端部上に好ましくは少なくとも3mmの長さにわたって重ね合わされている、請求項1ないし7のいずれか1項に記載のタイヤ。 請求項9 前記ビード内のビードワイヤ周りに折り返された部分を含む少なくとも1つのカーカス層を有し、前記カーカス層の少なくとも1つの折り返し部分の端部は、前記トレッドの下に延びている、請求項1ないし8のいずれか1項に記載のタイヤ。 請求項10 前記ビード内のビードワイヤ周りに折り返された部分を含む少なくとも1つのカーカス層を有し、前記カーカス層の少なくとも1つの折り返し部分の端部と前記ビードワイヤの半径方向内側端部との間の半径方向距離は、ショルダ端部と前記ビードワイヤの前記半径方向内側端部との間の半径方向距離の50%〜75%である、請求項1ないし8のいずれか1項に記載のタイヤ。 請求項11 前記クラウン補強構造体は、円周方向補強要素の少なくとも1つの層を有する、請求項1ないし10のいずれか1項に記載のタイヤ。 請求項12 前記円周方向補強要素の層の前記補強要素は、金属及び/又は織物及び/又はガラスで作られている、請求項11記載のタイヤ。 請求項13 前記実働層の前記補強要素は、織物で作られている、請求項1ないし12のいずれか1項に記載のタイヤ。 請求項14 電動機付き二輪車、例えばモーターサイクル用の請求項1〜13のうちいずれか一に記載のタイヤの使用。
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